素敵な女性には秘密の習慣がある
デリケートゾーンは体調によって変化が生じやすい敏感な部分です。
どんなケアをしたらいいのか、恥ずかしくて周囲に相談しづらいという人も多いですが、
間違ったお手入れをすると感染症にかかる恐れもありますので、日頃のケアは正しく行いたいところです。
こちらでは、デリケートゾーンのはたらきやケア方法について見ていきます。
デリケートゾーンは会陰部や肛門を指し、排泄器官や性器、感覚器として女性の健康に重要な役割を果たしています。
そもそも、デリケートゾーンは子宮と直接つながっており、尿道や大腸などの排泄器官も集中しているため、
粘膜が剥き出しになっているところが多く外部からの刺激や環境の変化による影響を受けやすい箇所です。
これらの内臓に直結する器官を外部の刺激から守り清潔に保つ必要がありますが、繊細な部分だからこそ衛生管理や
日頃のお手入れ、状態の確認が必要になります。
デリケートゾーンの大きなはたらきの一つは、体内を健康で綺麗な状態に保つことです。
体内の老廃物を排泄するだけでなく、おりものや月経血で体内の毒素や雑菌も排出するデトックスの役割を担っています。
おりものは膣や子宮から分泌され、体内の潤いを保ってバリア機能を維持している重要な存在です。
それだけでなく、おりものには多くの免疫細胞が含まれており、体の害になるものの排出と菌類の外部からの侵入及び繁殖を防ぐのに役立っています。
デリケートゾーンは排泄器官が多いので雑菌が繁殖しやすい箇所でもありますが、このような自浄作用がはたらくため、
ある程度清潔な環境を保つことができます。
そして、このような重要な器官が集中するデリケートゾーンを保護する役割もあります。
デリケートゾーンは皮膚が薄く、他の場所と比べても摩擦などの外部刺激には弱いです。
そのため、アンダーヘアで雑菌等の外部からの侵入を防ぐとともに、摩擦などの刺激から肌を守り、保湿効果を高めるなどの役割を果たしています。
見た目が良くない、蒸れてかゆみがあるなどの理由でデリケートゾーンの脱毛をする人は多いですが、肌が弱い人は会陰部周辺のアンダーヘアを
多少残しておくなどの工夫が必要です。
加えて、健康チェックがしやすいという特徴もあります。
デリケートゾーンには様々な常在菌がいて、善玉菌と悪玉菌に分かれています。
善玉菌はデーデルライン桿菌や乳酸菌などで、バリア機能を維持するはたらきを持っています。
普段はこれらの善玉菌が膣内を酸性の状態にして他の病原菌等の侵入を防いでいますが、体調を崩すと日頃何もしない悪玉菌が活性化し、
カンジダ症などの感染症を引き起こすこともあるのです。
悪玉菌が活性化する原因はストレスや生活習慣の乱れ、体調不良、間違ったデリケートゾーンのケアなどが挙げられますが、元々汗や経血、
おりもの、排泄物などで高温多湿になりやすく、雑菌が繁殖しやすい箇所なので誰でも発症する可能性はあります。
雑菌が繁殖しても、通常はほとんど自覚症状がありません。
しかし、デリケートゾーンはおりものの色やにおいなどから変化を感じやすく、健康のバロメーターとして非常に役立ちます。
健康時のデリケートゾーンは、体内のPHを酸性に保っているためにわずかに酸味のあるにおいがします。
また、おりものは透明から乳白色が健康な色で、黄色や黄緑色は感染症、白くカッテージチーズのような状態でかゆみがある場合はカンジダ症、
月経前後に茶色いおりものが出た場合は子宮がんなどの疑いがあるため、注意が必要です。
いずれにしても、このような些細な変化から病気に気づけることが多いため、デリケートゾーンの変化には敏感になっておいた方が良いでしょう。
デリケートゾーンは繊細な部位ですので、毎日のお手入れには注意が必要です。
#トイレの習慣
排泄後にトイレットペーパーで拭く際に、拭き残しがないように何度もしっかりこすって拭く人がいますが、
デリケートゾーンの皮膚は弱く、摩擦の刺激で痛みやかゆみ、炎症などが生じる可能性があります。
トイレットペーパーはできるだけ刺激の少ない柔らかいものを使い、こするのではなく水分を吸い取らせるように押さえて拭いましょう。
おりものが気になってしっかり拭く人もいますが、おりものには雑菌の繁殖を抑えるはたらきがありますので、
あまり奥まで拭かないようにしなければなりません。
また、ウォシュレットを愛用している人も多いですが、多用すると善玉菌である常在菌まで洗い流してしまうため、
雑菌が繁殖しやすくなって膣炎や大腸炎などの感染症を引き起こすことがあります。
ウォシュレットは毎回使うのではなく必要が生じたときのみに限定し、使うときは弱い水流で短時間だけの利用を心がけましょう。
なお、外出先は不特定多数の人が使用していることもあり、ウォシュレットは使わない方が無難です。
デリケートゾーン専用のウェットシート(ワイプシート)を使うなど工夫しましょう。
#正しい洗い方
デリケートゾーン用には、できれば専用のソープを使うのがおすすめです。
一般的に使われるボディーソープはアルカリ性で常在菌にダメージを与えるほど洗浄力が強いのに対し、デリケートゾーン専用のソープは
膣内環境と同じ弱酸性で刺激が弱く、肌への負担が少ないからです。
また、洗う順番は前から洗い始めて肛門を最後にすること、極力泡だけで汚れを浮かせ、指が当たらないようにすることなどを心がけましょう。
最初にお湯で主な汚れを洗い流し、ソープを泡立ててアンダーヘアを洗ってから流します。
周辺を清潔にしたら指で内部まで洗いますが、ここでもこすらずに優しく洗うように心がけましょう。
自浄作用がある常在菌を必要以上に減らさないように、膣内の洗浄は避けます。
汚れがたまりやすい箇所をシワやひだを伸ばして丁寧に洗い、ソープを残さないように流しましょう。
清潔に保ちたい部位ですが、頻繁に洗い過ぎると自浄作用が弱まってしまう恐れもありますので、特に汗をかきやすい時期などの例外を
除いては一日1回を目安にすると良いでしょう。
入浴後は蒸れやすくなるため、しっかり水分をふき取ってから下着をつけるようにします。
#お手入れ方法
正しい洗い方で清潔さを保つだけでなく、デリケートゾーンの敏感な皮膚を乾燥から守るためには、専用のお手入れが必要です。
洗った後はデリケートゾーン専用のローションやクリームを用意して、しっかり保湿しましょう。
皮膚が弱いデリケートゾーンは元々乾燥に弱く、放置しておくと徐々に黒ずみやシワ、たるみなどが目立つようになります。
水分が不足することでバリア機能も弱くなり、かゆみやにおいなどのトラブルが出やすくなりますので、早目のお手入れが必要です。
また、下着を肌に合ったものにすることも大切です。
下着は直接デリケートゾーンに触れるため、素材や縫製、デザインなどによって摩擦による刺激や通気性が全く異なります。
着用していたら普段より蒸れる気がする、かゆみやにおいが強くなる、汗がたまりやすい、下着の跡がくっきりつくなどの兆候が見られたら、
下着の買い直しも考えた方が良いでしょう。
デリケートゾーンは感染症を引き起こしやすい部位ですが、逆に言えば正しいお手入れとセルフチェックでかなりの予防効果が期待できるということでもあります。
正しい洗い方とお手入れをした上で、定期的なチェックや健康的な日常生活を継続するよう心がけましょう。
#デリケートゾーンのチェックポイント
日頃からセルフチェックを意識していなくても気づきやすいのが、デリケートゾーンのかゆみです。
短期間ならば下着が合わなかったケースも考えられますが、長期に及ぶ場合は外的刺激や蒸れなどから菌が繁殖した可能性が生じてきます。
ひどいかゆみが長引く場合は膣カンジダやトリコモナス膣炎などの感染症が考えられますので、婦人科への受診をおすすめします。
また、かぶれは汗などによる蒸れや生理用ナプキン、ストッキング、ガードルなどの摩擦が主な原因です。
特に生理中は雑菌が繁殖しやすいので注意しましょう。
かぶれは接触皮膚炎になっていることが多く、水ぶくれや強いかゆみが生じることもあります。
水ぶくれができて強い痛みも生じている場合、性器ヘルペスの可能性があるので早目に受診しましょう。
においはデリケートゾーンのトラブルでもかなり多いケースです。
単なる洗浄不足だけでなく、細菌性膣炎や淋菌感染症、膣カンジダ、子宮内膜炎、子宮頸がんなどの深刻な病気が原因となっていることもあります。
おりものの状態や皮膚の炎症、水ぶくれや赤み、かぶれ、痛みやかゆみなど様々な状態を確認するとともに、きちんと検査を受けるようにしましょう。
#日常生活の注意点
日頃のデリケートゾーンのお手入れはもちろん、感染しづらい身体づくりのためには日常生活の見直しも大切です。
栄養バランスのとれた食事を適量摂るように心がけ、疲れやストレスをためないような工夫をして、質が良く十分な時間の
睡眠を毎日心がけるなどの健康的な生活を意識すれば、免疫力や抵抗力が高まって感染症の予防につながります。
また、極力感染しないように意識することも重要です。公衆浴場やプールのように不特定多数の人が利用する施設では、
出る前にしっかりシャワーなどで洗い流すようにしましょう。
性行為による感染も多いため、コンドームを使うときには正しく使います。万が一、感染症であることが判明した場合は、
お互いが感染している可能性が高いため、パートナーと一緒に治療を受けましょう。
デリケートゾーンは重要なはたらきを担っており、体調や環境に左右されやすい部位です。
そのため、日頃から変化がないかこまめにチェックして、
強すぎる刺激を与えたり不潔な環境にしたりしないように、正しいお手入れを継続しましょう。
また、異常が見つかったときには恥ずかしがらずに、早めに病院に行くことも大切です。